みんなで星を見上げれば...

星を見ることを忘れてしまった人々の行く先に希望はあるのだろうか?新たな希望の地を求めて旅立ちの準備をすることにしました。よろしかったらお付き合いのほどよろしくお願いします。

この世の果てまでイッてチャッキリ その8

第9章 高度1000m

 今回の旅の特長は何と言っても「朝早い!!」事だ。
早起きは健康によい。しかし、それは夜早く寝るというのが前提だ。
夜も遅く、朝が早ければ寝不足になるのは当然で、しかも4日連続である。

体力はもう限界を超えていた。今は最後の気力だけで踏ん張っている。
しかもそれを支える灯火はまさに消えかかっているのである

「本番の日食は夕方なのに、なんでこんな早く出発するのよー。」

既に目の前には、氷河ツアー用の強大なタイヤのバスが到着していた。
「おはよう。こいつはすげえだろう。どんな雪道でもまかせてくれよ。」
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とでもいいたげなフォルラン。

全員集合すると夜明け前のホテルを出発。昨日がウソのような快晴の空。
奇跡の予兆はこのころからあったのかも知れない。
月のない南天の星空はそれだけでも素晴らしいものだが、
疲労困憊の彼女は、とてもそれを楽しむ余裕はなかった。

ただ、高さ50mから雷のようなごう音を轟かせて砕け落ちる氷河を見た
ときはさすがに声を失った。フォルランが早起きしてまで見せたかったわけ
が理解できた。

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この限界を超える寒さの中で思わぬアクシデントが発生。
携帯のバッテリーが切れた。そして予備電源の携帯用電池ケースが破壊した。
もう誰にも連絡できない。何が起こってもどうしようもない。
もしかして、私はこの最果ての地で天寿を全うすることになるのか?
そんな思いが駆け巡った。

また、気温が低いとバッテリーの消耗は非常に激しくなる。
肝心のところで電池切れ、、、、。なんて目も当てられない。
過去の経験を元に最後の切り札を用意していた。
最後の最後コロナ撮影用に取っておいた新品のデジカメである。
なんとしてもこれだけは守らねば。防寒コードの奥で暖めておいた。
実は、ここから先の写真はそのデジカメで取撮影されたものなのだ。

氷河を見終わると彼がこう言い出した。
「おれの友人の計算によると皆既日食を全部見るには、ここから1000mばかし
 登れば良いんだ。これからそこまで行くよ。」

ひたすら雪道を駆け上るフォルラン号。
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おお、なんという。WILD NAVIでさえ地上から皆既のまま沈む太陽を見るだけなのに。
それに今日の空はこの時期考えらないような快晴!地平線まで雲ひとつないクリアな空。
最後の最後で天は彼女に味方したのだ。
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ようやく1000m地点までたどり着いたが、そこは遮るものはなにもない、
まさに強風が吹きすさぶ高野であった。
イギリスの探検家、エリック・シプトンはこの地を嵐の大地と呼んだ。
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フォルランが人と機材を退避させるためのテントを設営し夕方に備える。
他にもツアー客はいたが、みんなテントで暖を取っていた。
そんな中、ただ一人撮影にそなえ機材セッティングする彼女。
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猛烈な風と格闘しながら機材設置場所を探す彼女はある選択を迫られた。
見通しが良く風の穏やかなテント東側の深雪地帯にするか。
テントに近く、強風で雪が飛ばされ地面が露出した暴風地帯にするか。

深雪はゆうに30cm以上はあり、一歩進むのにも苦労する状態、歩くだけで激しく
体力を消耗する。あとで気づいたのだが、雪に覆われた地面のその先は、もう少し
前に進んでいたら絶壁の崖になっていて、しかもテントからは死角になっており、
誰にも気づかれずに滑落して、そのまま行方不明ということになっていたかも知れ
ないという場所だったのだ。

三脚設置のため、地肌の出ている西側を選んだ彼女は、実はこの時、生と死の境界線上に
いたのである。

そのころ、日本ではサッカーW杯優勝戦のキックオフと同時に、クック諸島のマンガイア島
から日食のインターネットライブ中継が始まろうとするところだった。

(続く)
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この記事のコメント

記事中にORPっとあったのですが、どこなんですか?
2010-08-18 Wed 13:01 | URL | W [ 編集]
> 記事中にORPっとあったのですが、どこなんですか?

初めましてWさん。コメント非公開でコメントいただければ
管理人のみが、確認できますので、連絡先等を教えていただえば、
詳細お知らせできると思います。
2010-08-18 Wed 16:10 | URL | アダンの実 [ 編集]

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