みんなで星を見上げれば...

星を見ることを忘れてしまった人々の行く先に希望はあるのだろうか?新たな希望の地を求めて旅立ちの準備をすることにしました。よろしかったらお付き合いのほどよろしくお願いします。

この世の果てまでイッてチャッキリ その5

第6章 恐怖のオプショナルツアー


 「ダイジョウデスカ?オキテクダサイ。オジカンデスヨ。」

気がつけば、朝の10時を回っていた。
掃除にきてくれたメイドさんの心配そうな顔が目の前にあった。

日付を確認すると今日は日食の2日前。とりあえず問題は当日の飛行機が飛ぶかどうか。
出発前日の電話でなんとか空と地上の両方に対応できるよう機材を持ってきたけど知力、体力とも限界に近かった

今日はジックリ休養日にしよう。そう思って状況を確認しようと思い部屋を出てロビーに向かうと、、
「CHAKKIRI SUN」と書かれたダンボールの切れ端を持った男性と目が合った。
今日のツアーガイド、イニエスタさんである。

「どうも、よろしくお願いします。明後日の飛行機は飛びますよね。」

「ソレハ、マダワカラナ~イ。」

妙に明るいラテンのハイテンションで応えるイニエスタさん。

「キョウハ、ヒコウキハ、ウゴカナイ~カラ、ワタシガ、タノシイリョコウ、アンナイスルネ。」

なんと今朝から空港がストライキに入ったという。ここブエノスアイレスから
カラファテまで飛んで、そこから日食飛行機に乗る予定だったのに、その出発点にもゆけないわけ?

彼に尋ねると、

「ダイジョウ、ヒコウキトバナクテモ、バス デルヨ。」

しかし、ここからカラファテまでは3000km離れてる。
時速100km休みなしで飛ばしても30時間。一体何時間乗れというのか!
真冬のアイスバーンならそれこそ命の保障はない。ヒストリーチャンネルでやっている「アイスロードトラッカーズ3」を地で行くようなものだ。
地上での観測すらできない可能性がある。ここまで来て、それはないでしょ。
絶望の2文字が頭をよぎった。

頭皮が薄く人の良さそうなつぶらな瞳のイニエスタさんには確かに悪い人ではないし、その風貌には癒し効果さえあった。
しかし、今回は観光が目的ではない。私は黒い太陽が見たいだけなんだ。
と心の中で思いつつ、献身的に喜ばせようとするサービス精神旺盛な彼を好意を無視することはできなかった。

そこにココロの弱さがあったことは否定できない。
昨夜の空港でのデキゴトがどこか引っかっていた。
彼の優しさが自分を弱くした。
今思えばあくまで自分の意志を貫くべきだったが
彼に言われるままツアーバスに乗ってしまった。
そして、夜8時まで彼の案内で市内観光が続いた、、、。

それから、ホテルに帰ってきたが、なんとメインフロアを占領して始ったのは「タンゴショー」
ラテンの血が騒ぐかれらの饗宴が収束し始めたのは日付が変わった頃だった。

「今日も午前様だ、、、、。」

人は何時間起きて続けていられるのか。
たしか72時間で人に戻れなくなると聞いたことがある。
果たして生きて帰れるのか。
日食はおろか生命の危険さえ感じ始めたのはこの辺りからである。

(続く)
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